講師の独り言

最近のニュースは新型コロナウイルス一色となっています。中国の武漢が封鎖されてもまだどこか遠いところでの火事のような報道だったアメリカのメディアも今ではほとんどの時間を割いて連日新型コロナウイルスに関するニュースを流し続けていて、それまでのアメリカのニュースの主役であった大統領選はどこかに吹っ飛んでしまった形となっています。

日本では(1)換気の悪い密閉空間、(2)多数が集まる密集場所、(3)間近で会話や発声をする密接場面、この3つが重なったとき感染のリスクが高まるとされ、できるだけこの条件がそろうのを避けるように呼びかけられていますが、同様にアメリカでもsocial distancingという言葉が今飛び交っています。

当初はなじみが薄かったこの言葉も今や知らないアメリカ人はいないといいほど繰り返しメディアを通じて呼びかけられています。ちなみに今オンライン辞書で訳語を調べたところ「社会距離戦略」 と出ていましたがどうもあまりピンときません。

この言葉は感染症の広がりを防ぐため人と人の距離をとるといった意味で使われており、新型コロナウイルス対策としては最低6フィート(約180cm)人との間隔を開けるのが良いとされているようです。これによって早く収束すればいいですね。

それで思い出しましたが、少し前、韓国で宗教団体の集まりを通して新型コロナウイルスが拡散されたニュースがありました。そしてその際この宗教団体を指す言葉として欧米のメディアで使われていたのがreligious sectという表現でした。

このreligious sectという表現は少し注意が必要で手元の日本語の辞書では「宗派」となっているのですが、ケンブリッジの電子版ではこのsectという単語は” a religious group that has separated from a larger religion and is considered to have extreme or unusual beliefs or customs”と定義されています。日本語訳語の宗派といえば全く悪いニュアンスは感じませんが、実際はカルトに近いニュアンスが含まれることが多い単語です。

私はこの宗教団体が異端的な教団かは全く知りませんが、少なくともsectという単語からは書き手側はそういったニュアンスを持たせているといえます。ですからこの単語を使うときは少し注意が必要で、やはり日頃から訳語だけにとらわれず、英英辞典で意味をチェックしておく必要があるのかもしれません。